2022-10-06 (thu)
リブラン家の人々 白石美紗子編
旦那さんの1周忌のこと
2021年6月17日。
しんちゃんが亡くなってちょうど1年。
振り返る余裕なんて全くなく、とにかく突っ走ってきたけど、
こういう節目にはやはり振り返る気持ちになるものです。
「人はどう死ぬのか」
という本を1周忌のタイミングで読みました。
「癌の治療は時には、生きている人のエゴ」と書いてあった。
なるほど。
確かに抗がん剤や化学療法の癌の治療は、
生きている人のエゴなのかもしれない。
治療によって、抜けていく髪の毛や、ひどい吐き気、
ご飯も食べられず弱っていく姿に
本当に病気を治す治療なの?これが正解なの?
と自問自答を繰り返していたように思います。
最後、
しんちゃんもやりたかったことはたくさんあったかもしれない。
仕事のこと、家族のこと、お母さんのこと・・・
心残りも山ほどあるだろう。
でも、死ぬ間際、家で最後私としんちゃんの二人だけの時間があって、
意識が朦朧としている中で、最後の言葉を絞り出して
なんならちょっと冗談も交えながら「愛してるよー」って伝えてくれて、
眠るように、最期は苦しまず逝けた。
死は一発勝負。
最後の勝負にしんちゃんは勝ったんだと思います。
1周忌を1周年を言い間違えるほど、
私は、想像していたよりスッキリとした気持ち(ちょっと語弊はあるけど。)で
に前に進めたと思う。
それは周りにいるみんなのお陰でもあるし、
しんちゃんと、つみ重ねてきた日常の結果だと感じています。
後悔がないかといえば嘘になるけれど
日々、言葉を変わし、時間を共有し、喧嘩をし、
向き合わざるを得ない環境にいたからこそ
夫婦としての達成感、とことんやり切ったという満足感を感じています。
しんちゃんの人生はまるで短距離を走るように短かったけれど、
必死に走り切った。
しんちゃんの生き様を通して、
毎日必死に、日常を積み重ねておけば、
後悔がない人生を生きられるということを。
子どもたちにも伝えていきたいと思います。
「振り返ることは、前に進むこと」
この1年は前しか向いてなかった。
振り返ると立ち止まってしまうような気がして・・
1年という節目を機に振り返り、気持ちはもっと前に進めた。
1周忌を迎えた今、1年前に感じた悲しさや寂しさは
上手に昇華しているように思います。